保証人になってはいけない

学生時代の友人からいきなり電話があって、久しぶりに会おうという話になりました。選挙前ということもあり、やつはある政党の熱心な信者だと聞いていたので、絶対に選挙がらみのお願いをされるだろうと覚悟していた。私はそんなことは「わかった」と返事だけしていればいいと思っていた。それに、彼女とも別れたばかりだったので、誰でもいいから話をしたいと思っていたから、ちょうどいいタイミングだと思っていた。

久ぶりに合って、学生時代の女の話で盛り上がって、そろそろ帰る雰囲気になっても選挙の話はでてこない。まあ、いいかと思っていたら、急に「金を貸してくれないか?」と言ってきた。まさかの言葉に驚いていると、「3万円でいいから」と言ってきた。3万円は持っていないと財布を見せたら、「1万円でいいから貸してほしい。ここの支払いは利息代わりに俺がするから」と勝手に決められてしまった。きっと貸した金は返ってこないだろうから、ここの飯代を私が払ったことにすれば、5千円貸したことになる。5千円だったら、ちょっとスナックで身の上話を愚痴ったと思えばとんとんだなと思って良しとした。

この話を他の友達にしたら、やつは他の友達からもお金を借りまくっているらしい。どうやら友達の保証人になって多額の借金を肩代わりしたというのだ。その借金を返すために、借りまくって多重債務で返済が滞り、どうにもいかなくなって自己破産したというのだ。 やつの会社はお堅い商社だから、ブラックがいるのが得意先に知れたら、会社のイメージダウンになるのかもしれない。

結局、退職金なしの解雇になってしまったので、もう消費者金融からはお金を借りれないから昔の友達に連絡しまくってお金を借りてなんとか食いつないでいるというのだ。 まったくひどい話だ。 保証人というのはなってはいけないものですね。多重債務者になって自己破産すると、ブラックリストにのるというけど、やつはもうまっとうな仕事にはつけないのだろうか。いつまでも定職につけないというのは、心配ですよ。私は、お金を貸す方で良かったと思いましたけど。